自作小説を掲載したり、興味のあることを語ったりするブログです。
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2012/02/06
19:39:39
※ フィクション要素てんこ盛りの花魁小説。
  浅学ゆえ、妙な点も多々あるでしょうがご勘弁を。
  スカトロ・アナル・ダーク属性など注意。



多少なりとも遊女屋への興味があって、“紅華太夫”の名を知らぬ者はいないだろう。

紅華は、遊女となる前は武家の令嬢であったという。
密かに遊郭遊びへ赴いた大名さえ、彼女の凛とした気迫に惚れ込んだ……という逸話がある。
その紅華が、太夫になった折に立ち上げた遊女屋こそ『山紫苑』。
大名の贔屓にしている遊女屋として有名で、往時には色街でも指折りの格を持つ廓だった。

しかし大名の血筋が断絶した時、その山紫苑の名も地に堕ちる。
紅華も時を同じくして病に臥せった事から、巷では分家による陰謀論がまことしやかに囁かれた。
今や戸も閉め切られ、過去の栄華が語られるのみとなった山紫苑。
……その山紫苑を、それでも今、再び甦らせようとする一人の娘がいる。

名は山吹、齢は十五。
腰までの艶やかな黒髪と聡明そうな瞳、月光を帯びた桜の如き肌を持つ彼女は、紅華太夫の一人娘だ。
幼少の頃より城主への目通りを経験し、三味線や和歌、茶道など、あらゆる芸事を仕込まれてきた。
その素養は武家の娘をも上回り、御殿暮らしで育まれた品格はまさしく令嬢のもの。
しかしながら山吹は、けして自らの育ちの良さを鼻にかける娘ではなかった。
庭先を掃く者、渡り廊下に雑巾をかける者、全てに足を止めて労いの言葉をかける。
寒い中で雪かきをしている者には、自身が手縫いで拵えた半纏を手渡す。
傲慢になる事無かれ、周りに感謝を忘るる事無かれ。
その人徳を以って太夫にまで登り詰めた紅華の、そうした教えが染み付いている故だろう。

山吹は母が病に倒れて以来、自ら冷たい水で手拭いを絞り、その看病を行ってきた。
その手は苦労を知らぬ純白ではない。
ある時には薙刀を振るい、ある時には扇子を持って舞い、ある時には洗物をこなす。
そうして苦労を積み重ねた手だ。
ほんとうに物の解った人間には、その手の価値が読み取れるもの。
いつか花魁となるならば、そのような人を一人でも多く見つけ、愛されなさい。
それが紅華の最後の言葉だった。

15の春。最愛の母を腕の中で看取った山吹は、太夫を目指すべく山紫苑の敷居を跨ぐ。
名目上は女将として。
しかし彼女自身、色事のいの字も知らぬ生娘だ。
ゆえに、かつての紅華の従き人で、信頼も篤い『お志乃』を遣手とし、廓全体の管理を一任する。
そして山吹は女将としての仕事の傍ら、自らも遊女として経験を積む。
それが母・紅華の遺言であったし、山吹自身にも最も適切な選択に思えた。

彼女はまだ世を知らなかったのだ。
女が女に抱く嫉妬の情。いつの時代にも歴史の裏で繰り広げられる、その業のおぞましさを……。



志乃は紅華が病に臥せった頃、娘の山吹が山紫苑再興の意思を見せるや、進んでその後見人を申し出た。
しかし、それは紅華母娘が感謝するような義理人情の心からではない。
志乃は紅華を内心で嫌っていた。
生まれついて自分より器量が良く、育ちが良く、遊女としての格すら違う。
彼女の後ろについて花魁道中を歩くたび、志乃は胸を刻まれるような口惜しさを感じていた。
志乃にとって『山紫苑』での奉公は、その恨みを晴らす絶好の機会に過ぎない。

志乃は着々と山吹を追い詰める準備を進める。
まずは山吹の屋敷を売り払わせ、得た金を山紫苑の修繕費、及び再営業許可取付け資金等とする事で、帰る場所を失わせた。
お母上も亡くなられた今、貴方の生きる場所はここしかない……そう諭せば、今の山吹に屋敷を売らせる事は容易い。

さらに、山紫苑に置く遊女は器量の良くない者ばかりを揃えた。
そうすれば彼女達による稼ぎは少なく、山吹自身が身を削らなければ廓の経営が立ち行かない。
また醜女であれば当然に美しい山吹に嫉妬しやすくなり、心理的立ち位置からして反山吹の志乃寄りとなる。
これの理由付けは至極簡単で、最近まで幽霊屋敷のようだった山紫苑に行きたがる器量良しはいない、
力不足で申し訳ないと苦い顔をすれば、山吹の方からとんでもない、気苦労をかけてごめんなさいと頭を下げ返してくる。

こうして志乃は、いとも容易く山吹を廓の内で孤立させる事に成功したのだった。
さらに、ただ孤立させるだけではない。彼女に無力な味方を一人だけつける事も、志乃は怠らなかった。
その味方は、遊女の着物の洗濯や風呂沸かしなどの雑務をこなす下働きだ。
その下働きには、かつて山吹の下男をしていた男から一人を選んだ。
男の名は辰吉という。
志乃は女の勘で、このまだ年若い男が山吹に惚れている事を見抜いていた。
さらには山吹の方も、真正直で働き者の辰吉のことを以前から憎からず思っていた様子。

山吹が屋敷を売ったことで解雇となった辰吉は、その山吹が働く遊女屋での下働きを快諾した。
それは仕事にありつける喜びというより、再び山吹の傍で働けるという事への悦びだろうと志乃は看破する。
彼に与えられた私室は、折檻部屋の真横に位置する物置を整理しただけのものだった。
遊女への折檻が、その声も音も、余す所なく聴こえる悪夢の部屋。
その折檻は、やがて山吹に最も多く与えられ、そのたび辰吉の眠りを妨げることとなる。



「私の水揚を、人目に……?」
志乃の前に座した山吹が、強張った面持ちで問う。
志乃は頷いた。
「そうさ。遊郭内じゃ、未だこの山紫苑が再興した事さえ知られていないのが現状だろう。
 ここから山紫苑が並居る遊女屋を押しのけて繁盛するにゃあ、何はともあれ話題性が不可欠だ。
 そしてそれに足る絶好の題材はひとつ。
 紅華太夫の娘・山吹の初夜……ここを余さず隠さず衆目に晒してこそ、
 山紫苑には大した花魁がいるらしい、って噂も流れようってもんさ」
志乃がそう続けてもなお、山吹の表情は和らがない。

遊女の水揚、すなわち初夜は重要な意味を持つ。
特に将来的に太夫を志す娘なら、その水揚は品格に溢れ、かつ秘匿された物でなければならない。
まかり間違えても下世話な客寄せなどであってはならない。
山吹はそう考えているのだ。
元より頭の悪い女ではない、思考の引っ掛かりをそのままに流しはすまい。

しかし志乃とて裏の渡世を経験してきた苦労人。人を疑う事を知らない山吹を、口説き落とせない訳ではなかった。
食い物や落語の上演場所などを引き合いに出し、娯楽が大衆化しつつある事を説く。
今や武士も質素倹約、わざわざ廓に入る余裕はないが、それでも外から美しい姿が見えれば惹かれもしよう、と煽る。
そうして何とか山吹を得心へと落とし込んだ。

「……そう……太夫従きの遊女として勤め上げたあなたが言うなら、きっとそうなのよね。
 遊女というのも、綺麗事ばかりではいけないんだわ」
やがて山吹は、思う所はあれども、経験者の志乃を立てる形で瞳を閉じた。
元より人柄が良い上、志乃に遣手として廓内の一切を任せているという負い目もある。
どの道彼女が断ることなどありえないのだ。
「すまないね。後追いの小さな見世としちゃ、他に繁盛の糸口が見当たらないんだよ」
志乃は心苦しそうな表情の裏で、陰惨な悪女の笑みを浮かべた。


山吹は東の角部屋、畳の敷かれた和室に連れられる。
粗末な部屋だ。畳には布団が敷かれてはいるが、綿の薄い煎餅布団に過ぎない。
床入りをする目的で誂えられたというよりは、汚れてもいいよう体裁を整える為だけに存在する物だろう。
逆を言えば、普通の敷布団では勿体無いほどに布団の汚れる事が、予め解っているとも取れる。
山吹はその事実に歯噛みしながらも黙していた。

「さて、じゃあいくよ」
志乃が山吹へ向けて告げ、角部屋の障子を開け放つ。
タン、タンという木の打ち鳴らされる音の後、角部屋の中は渡り廊下を隔てて吹き曝しとなった。
庭の竹垣の向こうには、すでに黒山の人だかりが出来ている。
彼らは肩の高さほどの竹垣から身を乗り出し、我よ我よと山吹の姿を拝もうとしていた。

「おおおお、あれが紅華太夫の娘っ子か!流石に綺麗な顔してるもんだなぁ!」
「本当だ。こんな小見世じゃ勿体ねぇ、かなりの大見世でも通る器量だぜ。
 まぁ格式高い遊女屋じゃあ、こうして己らが水揚げを拝む事は叶わなかっただろうがよ」
品の無い声が山吹に浴びせられる。
その中で、山吹に見えぬよう口元を緩めながら志乃が手を叩いた。

「さぁ山吹、観衆の皆様に素肌を晒しな」
その声で、男達の歓声が高まる。
山吹は羞恥に歯噛みするが、しかし今さら拒む訳にもいかない。
「……ええ」
彼女は覚悟を決めたように顔を上げ、白く細い指で帯をつまんでしゅるりと解いた。
そして長襦袢の襟元に手をかけて腕へと滑らせ、雪のように白い肩を露わにする。

「うひょお、あの『紅華太夫』の娘のハダカが拝めるなんて、生きてて良かったぜ」
「しかし良い肌だな。乳房も娘っ子そのものの桜色で、うんまそうだあ」
「十五の割にゃ体つきもいやらしいもんだ。さぞかし良いもん食ってきたんだろうなぁ」

下卑た品評を為されながら、山吹は身に纏っていたものを全て畳の上に舞わせていく。
そうして一糸纏わぬ丸裸となった所で、部屋奥の襖が志乃の手によって開かれた。
その奥から姿を現した二人の男に、観衆が息を呑む。
大柄な身体つきに隆々と盛り上がった筋肉、剃り上げた頭、そして肩と背に彫り込まれた入墨。
「今日の為に特別にお呼びした、『仙蓮』って見世で遊女の仕込みをなさってるお二人さ。
 どっちもおんなの扱いに関しちゃ一流だよ」
志乃は山吹に向けてか観衆に向けてか、よく通る声で告げる。
「そういう事だ。愉しませてやるぜェ嬢ちゃん」
男の一人が、玄武の入墨の入った太い腕を掲げて山吹の顎を持ち上げる。
「っ……お願いします」
山吹は一片の恐怖すら映さない凜とした瞳で、荒くれた男を見つめ返した。
その品格高い気丈さは、男達も観衆をも虜にする。


「あ、あっ……ああっ……あっ…………あ」
和室に若い女の声が漏れていた。
それは春のやわらかな風に乗り、観衆の耳を悦ばせる。

山吹は、背後に座る男の胸板へ寄りかかるようになり、その豊かな乳房を揉みしだかれていた。
白い乳肉が男の浅黒い手の中で形を変え、根元から波打つように丹念に揉み上げられる。
そうしてじっくりと胸の性感を目覚めさせたあと、微かに粟立ちはじめる乳輪を指先でなぞり、
それら全ての焦らしでついに切なく尖り始めた胸の突起が挟み潰される。
「はふぅっ!!」
その瞬間は山吹にとって堪らないものであるらしかった。
まだ男を知らない未成熟な胸が、男の巧みな愛撫によってほぐされ、屹立し、解放される。
それが一度二度ではなく、延々と続けられているのだ。

「すげぇ……荒っぽい見目に反して、えらく上手ぇなあの野郎」
「ああ。うちのカカァなら、ああもやられちゃあもう十辺は乳汁搾り出されてらぁ」

観衆達はその巧みな胸への愛撫に感嘆する。
しかし、山吹が刺激されているのは胸の膨らみばかりではない。
彼女は背後の男に背を預けたまま、膝を折る形で脚を開かされていた。
その間に晒された桜色の秘裂には、別の男の舌が入り込んでいる。
舌は山吹の陰核と花びらを丹念に舐めしゃぶり、内側に湿り気をもたらしたのち、指での慣らしに繋いだ。
まだ未使用で痛みの強い十五の花弁へ、一寸ずつ僅かに押し進めて戻し、また一寸だけ潜り込ませる。
そうして丹念に慣らした末に、ついに山吹の花壷は男の二本の指を受け入れられるようになる。

そこへ至れば、男にも容赦はなくなった。
幾度も幾度も、節ばった指の関節を花弁へ通り抜けさせ、その内なる肉を弄る。
奥まりで指をひらいては狭穴の中に蜜の糸を引かせ、臍側へ曲げた指の頭で臍下の一帯を擦りまわす。
「……っ!!…………っ!!!」
それらはどうにも効果的なようで、山吹は声を殺しつつ、足裏を幾度も煎餅布団から離していた。

「へへ。十五の餓鬼の女陰(ほと)が、とろとろに蕩けてきやがったぜ。
 蜜もこりゃあ美味ぇもんだ。内も外も身奇麗にし続けてきた生娘、ってのが味で解らぁ」
前方の男は山吹の花壷から指を抜き、付け根までの全体に纏いついたぬめらかな愛液を舐り回す。
山吹の頬は林檎のように赤らみ、目元は恥辱に歪んでいた。
何も言わずとも、何も纏わずとも高貴さが滲み出るような淑やかな娘。
その山吹が調教されているという光景は、竹垣外の男を狂乱させるに充分なものだった。
「ええい、退け小僧ッ!」
「なりません、敷地内への立入はご遠慮下さい!!」
興奮の余り肩丈までの竹垣を乗り越えて踏み入らんとする男を、下男である辰吉が抑え込む。
辰吉はその見張りの仕事を黙々とこなしながらも、心中はけして穏やかではなかった。



入墨の男達は山吹を散々に蕩かした後、その身体を畳の上に這うようにさせた。
「しゃぶれ」
男の一人が褌を取り去り、自らの逸物を衆目に晒す。
おおおっとどよめきが起こった。
それは男の体格に見合った立派なもので、隆々と反って天を向き、血管さえ浮き立たせて脈打っている。
「ひっ……!」
山吹は両手で口を押さえながら目を見開いた。
彼女とて遊女になるべく育てられた子供。勉学の一環として、下女が下男と交わる様を目の当たりにし、
その際に屹立した男のものを記憶に焼き付けている。
だが今鼻先に突きつけられているのは、その記憶の中のものよりも遥かに凶悪だ。

「おら、花魁がブツを前にボケッとすんな!」
痺れを切らした背後の男が山吹の肩を掴み、前方の男の逸物に顔を近づけさせた。
痛烈な男臭さが鼻をつき、山吹の美貌を歪ませる。
しかし、確かに彼女は一流の花魁となるべくここにいるのだ。逃げてはならない。
山吹はおぞましさを振り払い、恐る恐る男の逸物に手を添えた。
その光景は、それだけで刺激的であり、観衆を沸き立たせる。

「んっ……んむっ、んんっ……!!」
山吹は逸物の先へと丹念に舌を這わせ、唾液で塗れ光る先端を口の中へと含んだ。
そうして舌を使って舐めしゃぶる。
「もっと舌を伸ばして裏筋をなぞっていけ。喉の深くまで咥え込め」
だが前方の男は、容赦なくその口戯に注文をつける。
山吹がその通りに試みても、やはり拙く思えるのか険しい表情は変わらない。
「ええい、思い切りの悪ィ餓鬼だ!こう……すんだよっ!!」
男は叫ぶように言い、山吹の黒髪を掴んで自らの腰へと引き寄せる。
「ごえぇっ!!」
山吹は目を見開きながら喉の奥で叫んだ。
その声に辰吉が振り返る。

(……お、お嬢様……!!)

振り返った先では、山吹が入墨男に髪を掴まれ、口一杯に男の怒張を捻じ込まれていた。
眉の顰め具合からして、喉のかなり深くまで入り込んでいるのだろう。
そのまま頭を前後させられ、その際に漏れる声などは、人間が日常で生活していて出る声ではない。

「お、オエッ!!!」
やがて男が逸物を抜いた瞬間、山吹の口からえづきが漏れた。
きつく閉じられた瞳から涙が伝い、そして逸物が抜き去られた事で露わとなった口元からは、
夥しい唾液と混じってかすかに黄色い半固形の物が零れ落ちている。
「これしきで吐くな!」
入墨男はそれを目にするなり、強かに山吹の頬を張った。
一瞬にして山吹の左頬は赤く腫れ、俯いた泣き顔から涎の糸がぽたぽたと滴る。
「……続けるぞ」
男が再び山吹の頭を鷲掴みにし、逸物を唇へと割り入らせる。

山吹はそれを拒める立場になどなかった。
かつて経験がないほどの苦しさに涙を零しながら、男の命じるままに逸物を手で扱き、深くまで喉で受け入れる。
そして辰吉もまた、山吹を救える立場にはない。
かつての雪の日、自分に手縫いのあたたかな半纏をくれた、あの純真な女主人が穢されていく。
それをただ、竹垣から響く喧騒にまみれながら傍観しているしかなかった。

這うような姿勢で口戯を仕込まれる山吹の後ろには、もう一人の男が貼り付いていた。
彼はまだ肉付きの甘い山吹の尻を手で割り開き、そこに顔を埋めている。
そして鼻先で尻穴の匂いを嗅ぎまわりながら、花弁に執拗に舌を這わせているようだった。
先ほどまで散々に嬲られていた山吹の花弁は、それによっていよいよ蜜を垂らすほどになっていく。

「おうお、塗れちまったもんだ。甘ぁい蜜が、太腿にまで垂れてきやがった。
 ……おい、もうそろそろ頃合いだ、やるとしようぜ」
背後の男が、少女に逸物をしゃぶらせている男に呼びかけた。
その男は頷き、いよいよ一回りほど大きさを増した逸物を山吹の口から引き摺り出す。
「抱いてやる。布団の上に寝転がんな」
男が唾液に塗れた逸物を反り立てて命じると、山吹は覚悟したように布団に仰向けに横たわった。
いよいよ破瓜の刻だ。
観衆の騒ぎを耳に入れるまでもなく、辰吉にもそれが解った。


男は山吹と顔を合わせる対面位で、山吹の脚をわずかに曲げさせて挿入を開始した。
「んっ……!!」
指や舌で慣らされているとはいえ、初めての挿入はつらいのだろう。
山吹は目を細め、唇で指を噛みしめてその痛みに耐えているようだった。
「さてそろそろだ、一気にいくぜ」
半ばほどが入り込んだとき、男が山吹に囁きかけた。
そうして一呼吸置き、腰を強く掴んだまま一気に逸物を押し進める。
「…………うあッ…………!!!!!!」
山吹は布団に髪を押し付けるようにして天を仰いだ。
男の侵入が終わり、腰が止まる。
ざわめきが一旦落ち着いたことで、山吹がもう操を失っている事実が辰吉の心に突き刺さる。
山吹は騒いでなどいない。
目尻に大粒の涙を溜め、唇を引き結んで高貴さを保っている。

「へぇ、流石に静かなもんだな。女の初めてってなぁ煩いもんだと聞くが」
「この大人数の前だ。乱れちゃならねぇと、あの細い身体で必死に我慢してるんだろうさ。
 見ろよ、ちっこい手がぎゅうっと敷き布団を掴んでてよ、健気なもんじゃねぇか」

観衆達がいよいよ興味深く見守る前で、男はゆっくりと腰を動かし始める。
「ん……く」
山吹は流石に小さく呻きながらも、男にされるがままになっていた。

「ふん、まあまあの締まりって所か。あの紅華太夫の娘っつうから、期待してたんだがな。
 この界隈にゃあこれより具合のいい女なんざゴマンといるぜ?
 蚯蚓千匹や数の子天井なんざ当たり前で、その上で俵締めや巾着みてぇな技を持ってる女までいる。
 そういう女共から男を奪い取るにゃあ、並じゃねえ苦労が必要だ。
 だがまぁ安心しな。これから俺達がたっぷりと時間を掛けて、テメェのおんなを目覚めさせてやる。
 どんな男でも逝かせられるようになるまで仕込んでやる」

男は山吹の汗に塗れた顔を撫でながらそう告げる。
そうしてゆっくりと花壷から逸物を引き抜いた。
どろり、と結合液が垂れる。愛液に薄められたかすかな朱が、敷き布団に染みを作る。
紛れもない純潔の証。
たった今名も知れぬ男によって女にされたばかりの山吹は、そこから数日に渡って、
筆舌に尽くしがたい遊女調教を受ける事となった。



昼も夜も角部屋に面した障子は解放され、廓の表から無銭にて見放題となっていた。
遊ぶ金のある者は鼻で笑って顔をしかめ、普段遊郭に来ない貧しい男達は、見世先に齧りついて各々に慰めはじめる。
辰吉もまた、庭先で枯葉を掃き集めながら、ちらちらとその調教を盗み見ていた。
ついこの間まで仕えていた、美しく優しい主人が穢されているのだ。気にならない筈がなかった。

「こ、こんなっ……けだもののような格好!」
山吹は背後から男に抱かれ、信じがたいという非難の声を上げた。
男がほくそ笑む。
「ふん、面つき合わせて抱く以外は皆けだものの性交か?ガキの癖に古臭ぇ考えしてやがるぜ。
 まぁいいさ、もうすぐテメェも、けだものの『ような』なんて言えねぇ位に乱れるんだからよ。
 オラ、いい声で啼いてみろ」
男はそう言いながら山吹の腰を掴み、力強く腰を打ち付ける。
パンッパンッと肉のはじける音が響き渡り、山吹の豊かな乳房が前後に揺れる。
山吹は気恥ずかしげに唇を噛みながら、布団に肘をついて突き込みに耐えていた。

「おら、甘えるみてぇに感じてばっかいねえで、テメェの方からも締め付けろよ。
 テメェは入り口こそよく締まるが、ナカがまだまだ緩いんだ。
 こうやって後ろから突きゃあ、奥までよく届くだろう。そこで腹に力を入れてみろ」
男は山吹の尻を手の平で叩きながら命じた。
これはただの情交ではない、あくまで生娘を金の取れる花魁とする為の調教なのだ。
辰吉は改めてそう気付く。

「あ、ああ……っ!!……くあ……っ!!!!」
山吹は言われた通りに腹部をへこませ、結合部に意識を向ける。
しかしそれによって喘ぎ声が漏れ、さらには太腿に痙攣が起きてしまう。
「ふん、また逝ったのか?テメェは奥に意識を向けるとすぐに逝くな。
 まだまだへばってんじゃねーぞ。おら、自分で腰ィ動かせ」
男は溜息を吐きながら、山吹をなおも犯し続ける。
その前方では、別の一人が山吹の顎をつかみ、逸物を咥えさせてもいた。
「ったく、下手糞な花魁がいたもんだな。禿(かむろ)の方が、まだ男の悦ばせ方を知ってんぜ」
男達は山吹の未熟さを散々罵りながら、前後からの陵辱を加え続ける。

辰吉にはその中で、山吹が涙を流すのが見えた。

山吹も母の華々しい逸話を聞き、また自分なりの太夫への夢を馳せる中で、憧れは様々にあっただろう。
身元は潔白で羽振りがよく、男前のきりりとした好青年に優しく抱かれる。
それが本来、山吹ほどの女の『初夜』があるべき状況だ。
その栄光への道は、今や地に堕ちてしまった。
饐えた匂いを発する下卑た男共に晒されるほど。道ゆく市井の民にすら蔑まれるほど。
これではまるで、調教ではなくただの辱めだ。

「馬鹿野郎ッ、誰が勝手に逝っていいっつった!!」
男の怒号が飛び、山吹の胸の突起が捻り上げられた。
「あううっ!!……ご、ごめんなさい……」
山吹は苦痛に顔を歪ませながら、男達に謝罪する。

彼女は布団に腰掛けた男へ後ろ向けに覆い被さるようになり、背後から深々と花弁を貫かれていた。
肩幅以上に広げられた膝の間から、ぬちゃっぬちゃっと何とも艶かしい音が立つ。
山吹は布団に手をつくようにしながら、その音が立つたびに身体を細かに震わせていた。
「いいな、『逝く』んじゃねぇ、『逝かせ』ろ!!
 ここで心地の良さに飲み込まれるような奴は花魁じゃねぇ、ただの素人だ!!」
男はそう言いながら、さらに容赦なく山吹の背を反らせて腰を打ち付ける。
「あっ!!ううっ、くっ!!!」
山吹は快楽に顔を歪ませ、懸命に堪えているようだった。

「おーまだやってる、可哀想だねぇ。今日で三日目だっけ?朝も晩もなく、ようやるよ」
「そうだなぁ。逝くなっつったって、こう何日もかけて逝き癖をつけられちゃあ無理ってもんだ。
 あの生娘だった紅華の娘を、数日でここまで愉悦に染め上げるのは流石って所だがな」
「布団がすっかり濡れてしなびてやがらぁ。腰が動くたびにニチャニチャいってやがるしよ。
 あれ、ほとんど嬢ちゃんの汗と愛液だろう?そりゃあ逝きっ放しにもならぁな。
 花魁になるってのも、どうにも大変だねぇ」

初日に比べればまばらとなった竹垣の観衆達が、山吹達の情交を眺めながら言う。
その最中にも、男の精を搾り取る前に絶頂を迎えた山吹が、強かに頬を張られる音が響いてきていた。
何度目に頬を張られた頃だろう。
山吹の白い脚の間から、水の溢れる音がした。それは微かな飛沫を上げながら布団に広がっていく。

「ちっ、漏らしやがった。ビビッたのか、それとも心地が良すぎたのかよ?
 この衆目の前で用が足せるなんて、さすが太夫を目指す女は器が違うね。
 どうだいお集まりの皆々様。この女が見事太夫になった暁にゃ、『小便太夫』とでもお呼びしようじゃあねぇか!」

男は高らかに笑いながら、小便と愛液に塗れた山吹の花園を開いてみせた。
もはや見慣れた光景となったそれに、観衆は誰も声など上げない。
ただにやついた不愉快な笑みでもって、山吹を見つめるだけだ。
その顔は言っていた。早く山吹を抱きたい、この娘を自分の物で善がらせたい、と。





見世に顔を出すようになって以来、山吹は、日に最低五人は相手をすることになった。
他の娘が日に一人か二人しか客を取れない上、来客の殆どが山吹の身体目当てなのでそうせざるを得ないのだ。

また山吹には、器量の他にも客から好まれる要素がある。
彼女はたとえ一仕事の後で疲れ果てていても、身体を正して三つ指をつき、有難う御座いましたと礼を述べる。
そして真裸のまま、一客のために本格的な茶を点てるのだ。
洗練された茶筅の動きが醸し出す侘び、しかし面を上げれば美しい女の裸体。
その品格高くも艶かしい異様な光景には、遊郭に通い慣れた伊達男でさえ、一時声を上げるのを忘れるほどだった。
山吹が人気を博すのも、至極当然の事と言える。

しかしまだ15に過ぎず、男に慣れきってもいない山吹の身体には、日に五人の相手でもつらい。
連日の無理が祟って高熱で倒れて以来は、五日続けて見世に出た後、一日は裏方に徹して休養するようになった。
この休養日は、色町の男達から“枯山吹”と呼ばれ、大層残念がられたという。
だが、その山吹の苦労を知ってなお、志乃の追い込みは終わらない。
彼女としては、美しく才豊かな山吹がより惨めに潰れてくれた方が気分が良いのだ。


「名目上は女将だか知らないが、所詮は娼妓の何たるかも知らない小娘さ。
 たっぷりと世の厳しさを教えておやり、嫌な客は全部山吹に回すんだよ」

志乃は山吹以外の遊女全てにそのように言い含めていた。
言われずとも、『紅華太夫』の血を引く山吹には皆が危機感を抱いている。
普通に客を取らせれば、たちまちに花魁の頂点へと登り詰めていく事は明白だ。
ゆえに、遊女達は志乃の謀りに乗った。
一度ついた客で嫌だと思う者がいれば、次からは山吹指名と伝えて回すのだ。
山吹はその裏心を察知してはいたが、それでも困った時は助け合いだからと快諾する。
そうしていざ相手をする段になって、その客が忌避される由を嫌というほど思い知らされるのだった。


一人は、信じがたいほどの巨根を有していた。
着衣で話をしている時から自分本位な性格が見える難ありの客ではあったが、
いざ褌を取り去って逸物が露わになった時、山吹は悲鳴を上げるのを堪えるのがやっとだった。
指で摘むなど到底出来ない、両手の指で包み込んでなお全く足りない。
それを愛撫するには、腕で抱き込むのが最も適切ではないかと思えるような規格外の巨木。
男はそれを誇らしげに揺らしながら笑った。

「どうだ、聞いたとおりデケェだろ。
 前にここで相手ばした女は、勘弁して下さいばっがで話んなんねがったかんな。
 ここの女将なら相手ば出来る言うがら、おらマス掻きもしねぇで溜めて込んできただ。
 ほら、とっととしゃぶれぇ」
男は山吹の鼻先へ逸物を突きつけて言う。
「は、はい。失礼いたします」
山吹は自身の女将としての責任感と男への憐れみから、その逸物へと口を近づける。
しかし余りに大きすぎた。顎が外れる寸前まで口を開いても、その亀頭部分さえ含めない。

「お前ェのそのちんまい口じゃあ、おらの物咥えるのは無理だぁ。
 口ですんのはもうええがら、さっさと女の場所に挿れさせてくんろ」
男がそう要求すると山吹は立ち上がり、部屋の戸棚にある陶器の蓋を開けた。
多少大きな物を受け入れるための油が入っている。
山吹はやや逡巡した後、その全てを男の逸物に注ぎかけた。
「うおっ!!へへ、冷たいじゃねが」
「しばし、ご辛抱を……」
山吹は自らの花弁にもその油を塗りこめ、いざ男の上に跨ろうとする。
しかしそれを男が制した。

「まで。なしてお前ェが上になる、おら女に主導されんのはきれぇだ。
 挿れんのはおらがしてやっがら、女は寝そべってされるがまんまにしどげ」
男のその発言で、山吹の心臓が震え上がった。
入る見込みなどまるでない極太だが、自分で腰を沈めて調整しながらならばまだ何とかなる。
しかし相手任せとなれば、自衛のしようがない。
「ほれぇ、さっさとそこさ寝そべれ」
男はなおも横柄に命じてくる。山吹は、ただそれに従うしかなかった。


「あうっ!!」
極太が花弁を通り抜けた時、山吹は思わず目を見開いた。
男の力に任せた、みしりと音を立てるような無理矢理の挿入。
骨盤が砕けそうなほどに軋み、下腹部を尋常でない圧迫感が襲う。
嫌な汗がどっと全身から噴き出す。
「ほーら、入っていくぞぉ、やらけぇ所に、おらのぶっといのがよぉ」
男はそう言いながら、いよいよ腕を痙攣させつつ強引に奥までを蹂躙する。
「くああああああああっ!!!!!」
山吹の瞳から涙が零れ落ちた。

身体が耐えられるような痛みではない。自分の歳で許容できる大きさではない。
息が苦しい。
それでも、山吹は耐えていた。
女将として、この不満を持つ客を満足させるのだ、という使命感で。
男が欲望に任せて無理矢理に腰を動かすと、細い身体を精一杯に踏ん張ってそれを助けた。
その甲斐あり、男は絶え間ない抜き差しの果てに、ついに射精に至る。
「おおっ、ええぞ、果てるぞ、果てるぞッ!!」
男は叫びながら、山吹の奥深くで精を放った。
避妊具の在庫にも限りのある山紫苑では、膣内射精は原則禁止となっているが、そんな事はどうでもいい。

ようやく終わった……。
酸欠で意識も朦朧としている山吹が安堵の息を吐いた時、男が口を開いた。
「ああ善がった、たまんねえなぁ。ほれ、寝とらんと次いくぞ」
男はそう言いながら、射精してなお大きさの変わらない逸物を山吹の中で動かし始めた。
精液が攪拌され、再び呼吸が阻害される。
「そ、そん、な…………も、もう、い……いき……が…………」
山吹は、すでに限界を超えていた。
使命感だけでかろうじて酸欠状態を乗り切った彼女に、余力などない。
山吹は口から泡を噴きながら意識を落とした。
男が喚いている声が遠くに聴こえ、胸が痛むが、もはや気力でどうにかなる状態でもなかった。


目を覚ました山吹の視界に入ったのは、険しい顔をした志乃。
そしてその周りで、呆れ果てたように山吹を見下ろす遊女達だ。
「やってくれたね山吹。お客からの大顰蹙だ。
 他の女から盥回しにされ、あの女なら出来るというから期待していたのに、何だあの様は、
 あれで女将を名乗るなぞ笑止と仰って、店の中で随分と暴れてくれたよ」
志乃は荒れ果てた店内を指し示しながら告げる。
なけなしの金で買った壷も掛け軸も、無残に破壊され尽くしていた。
「本当に怖かったのよ。しかもその原因が、女将の不手際だったなんて。
 反省してくれないと、あたいらだって身の振り方を考えるよ」
志乃と遊女達に糾弾され、山吹はただ青い顔で頭を下げる。

これらは全て、志乃達の目論見通りだった。
性格にかなり問題のあるあの客が腹を立てていたのは事実だが、店を荒らしたのは志乃達自身だ。
全ては山吹を追い詰めるために。





「ほーら、調教の時間だよ。どんなご立派様でも咥え込めるように蕩かそうねぇ」

折檻部屋の襖が開け放たれ、蝋燭を手にした遊女達が姿を現す。
その紅色の光が照らす輪の中には、竹轡を噛まされたまま柱に縛り付けられた山吹の姿があった。
その乳首と陰核には細い糸が結わえ付けられ、天井近くの横木に繋がれている。
「ふう、いつ見てもいい格好。
 ただいま女将さん、六ツ時から一人放置されて、寂しかった?」
女郎達はその山吹の姿を笑い、各々筆を取り出した。
そして部屋の隅にある壷へ筆先を浸し、粘質な薬を掬い取っては山吹の乳首と陰核に塗りつけていく。
「ふうううっ!!」
竹轡越しに山吹の声が漏れた。
「そんなに感じるの?まぁもう胸の方もオサネの方も、可哀想なくらい膨れ上がってるけど。
 こわーい薬なのね、これって」
遊女達は嬉々として筆を操る。

そうして陰核と胸の蕾へ散々薬を塗布したところで、繋がれた糸をピンッと弾いた。
「ふぁうううああっ!!!!!」
山吹が竹轡越しに呻く。噛みしめた口の端から唾液が零れ落ち、床の液だまりに弾ける。
「もう我慢できないみたいね。今朝はその割れ目にも、筆で直接お薬を塗り込んであげたもんね。
 しょうがないな、ちょっと鎮めてあげる」
遊女の一人が言い、持参した桐の箱を開ける。
中からは、縄を結び合わせて作ったような責め具が姿を現した。

「あなたのお蜜でふやけた随喜よ。昨日以来だから待ち遠しいでしょ?」
遊女はそう囁きながら随喜を取り出し、先端を指でぬちょぬちょと弄びながら笑った。
そうして山吹の瞳をしっかりと覗きこみつつ、ゆっくりと花弁へと挿入していく。
「んんん……!!」
「ふふ、女将さんったら腰がいやらしく蠢いてる。
 でも御免ね、二寸までしか入れては駄目と、お志乃さんに仰せ付かってるの。
 だからこうして、入口辺りをくすぐるだけ……そうしていくら強請っても駄目なのよ。
 ほら……随喜のお汁が染み渡って、堪らないでしょう。
 そんなに切なそうな顔したって、男じゃない私たちは篭絡できっこないんだから無駄よ。
 もっともっと酷い顔で、けだものみたいに呻くようになるまで止めないから。
 そうやって欲しくなって欲しくなって、最後には私らの腕を飲み込める位にしてしまうのよ。
 あははっ、すごいお汁出てきたわね。想像してお小水漏らしちゃった?
 さすがは“小便太夫”さまだわ」

女郎達は淫靡な表情で、山吹の秘所と胸の突起を責め苛み続ける。
同性ならではの的確すぎる責め。呆れるほど容易く、そして切なく昂ぶらされてしまう。
「ううう、うう……うううぅうんんっ!!!」
拘束された山吹は、その同性の手がもたらす責めに、涙と涎を零しながらただ耐え忍ぶ他なかった。





山吹に回される『嫌な客』は、巨根の男ばかりではない。
初夏に訪れたある男は、服を着ていれば紳士的だったが、いざ床となると愛撫の折に執拗に尻穴を刺激する。
「い、いやっ、そんなところ!!」
山吹は恥じて身を捩るが、男は止める気配もない。
「何が嫌だ!客の男が望む事あらば、何であれ聞くのが遊女であろうがっ!!」
そう激昂し、尻穴へ膏を塗って指で解したあと、無理強いでの挿入を試みた。
「いやああああああっっ!!!!」
出すための穴を犯されるのは、いかに山吹とはいえ許容できない。
山吹は何とか逃れようともがくが、男はその狂乱をも愉しんで彼女を背後から押さえ込む。

「ふん、艶のある綺麗な背中をしおって。
 女の分際で、飢饉なぞとは縁のない、満ち足りた生活をしてきたのであろう。
 だがそのような娘の後ろの孔を使っていると考えれば、これほど気分のいい事もない。
 農家の娘が腹を空かせて泣いているその時に、育ちの良い娘もまた糞の穴を犯されて泣くのだ。
 これぞ天下泰平、平等至極。
 ……ほらどうした、入口から奥までよく絡み付いてくるぞ、この穴は!!」

男はそう罵りながら腰を打ちつけ、ついに肛門の中で精を放った。
男が逸物を抜き出すと、桜色の肛門からは白濁液に混じって茶色い筋が流れ落ちていく。
「ふん、花魁ともあろうものが浅ましい。糞汁が漏れているではないか」
男が機嫌悪く言う横で、山吹は懐紙を用いて尻を拭い、男へ向けて三つ指をついて頭を下げる。

「………………ありがとうございました」

どのような事をされても、相手がどのような人物であれ、意識がある限り続けている作法だ。
だが男の表情は晴れない。
「それだけか?」
男のその言葉に、山吹は目を見開いた。
「『紅華太夫』の娘は、母親と同じで事を終えた後に茶を点ててくれるのだろう?
 私に限って無いというのは些か寂しいものだが」
そう言われると、山吹も返す言葉がない。
かくして、彼女は男の望み通りに茶を点てた。犯された尻穴の痛みを堪えながら。

「ふむ、美味いな。その正座した脚の間から、精液と入り混じった糞汁を垂らす女が淹れたとは思えん。
 ……忘れるな、次も後ろでやるぞ。
 今日の所は挨拶程度で済ませたが、次なる時は私に跨ったまま、夜通し尻穴のみで奉仕してもらう。
 痛いのが嫌というなら、次に私が来る時までに、張り型でも使って慣らしておきなさい。
 もし自ら致すのが嫌なら、下男の誰かにでも頼むといい、紅華のお嬢様。
 お前が相手となれば、およそ男なら誰であろうと喜んでやるだろう」

男のその言葉を偶然に耳にし、庭先で拳を握り締める人間がいた。
辰吉だ。
「……ふざけるな、あの野郎……!」
彼には耐えがたかった。
山吹が後ろの穴を犯された事も、その後に関する侮辱も。
本心では男を殴りつけたいが、彼の身分ではそんな事は叶わない。
そして何より山吹自身が、その蛮行を望まないはずだった。


男はその後、実際に再び見世に現れ、横柄な態度で山吹を呼びつけた。
蒸し暑い夜で、男は薄く障子を開けて事を行ったため、庭先で水を汲む辰吉にはその様子がすべて見えていた。

「ふん、あれほどに言っても尻穴を拡げずにいるとは、大した変態振りよ」
男は脚を開いた山吹の正面に座り、尻穴を指でほじくって罵る。
「……済みません。奉仕は抜かりなくさせて頂きます」
山吹は頬を赤く染めながら答えた。
夏の頃には暑さに猛る客が殺到しており、山吹に尻穴を開発している暇などなかったのだ。
「ふん、まぁいい。私がこの場所を育て上げてやる」
男は未だ初物のような尻穴を指でほじくり回しながら、嬉しそうに笑っていた。

辰吉はそれから、男が山吹の肛門を辱める様を、仕事の合間に断片的に目にした。
男は数日に一度見世に顔を出し、山吹の尻穴を嬲り回す。

ある時には茶を点てるのに使う鉄瓶を使って山吹の腸へと水を注ぎ込み、
男の鼻先に置かれた盥へと屈み腰で排泄させた。
そうしてその姿勢のままで尻穴を指で延々と抉り回すのだ。
この時には障子は完全に開け放たれ、山吹が花園を晒しながら蹲踞の格好を取っている様が、
庭のどこにいても丸見えとなっていた。
山吹はその惨めたらしい格好のまま後孔を指で嬲られ、大声であっあっと喘ぐことを強制されていた。
耳まで真っ赤に染めたまま、尻に全ての神経を集めるよう命ぜられる山吹。
男の言葉をそのまま信じるなら、彼女の尻の輪はその最中にも、さも心地良さそうに解れていったという。

さらにしばらくの後、晩秋の頃。
山吹は柱に背を預けたまま正面から抱かれ、両脚を男の肩に乗せるようにして尻穴を犯されていた。
その光景が、やはり薄く開いた障子から覗き見えている。
山吹の顔は、いつしか苦痛に歪むこともなくなり、前でする時と同様に蕩けたようになっていた。
汗の浮かぶ額、上気した頬、確たる輪郭をなくした瞳。

「どうだ、腹の中で熱く硬い逸物に糞を掻き混ぜられるのも、大分心地良くなってきただろう。
 顔、両胸の芽、花園にあふれる蜜……全てが女の感じた姿そのものだからな」
男はそう言いながら、山吹の尻肉を掴んでゆっくりと腰を打ち付ける。
ぬちゃり、ぬちゃりと音がする。
「あ、ああ」
山吹は桜色の唇をひらいて小さく喘ぎながら、男の肩に乗せた両の脚をひく、ひくんと蠢かせていた。
月の光さながらに白い、細く伸びやかな脚。
その太腿も、脹脛も、足指も、全てが波打つような快感にひくついているようだ。

その様を目にして、辰吉は悟ってしまった。
あの愛らしかった山吹が、またひとつ変わってしまったのだ、と。



その事件は秋口に差し掛かる、ある日に起こった。

「……有難う御座いました」
山吹がようやくに事を終え、三つ指をついて男に礼を述べていた時だ。
突如襖が騒々しく開き、遊女の一人が姿を現した。
「お、お鶴!?お前、今日居たのか」
男が動揺した声を出す。どうやらその遊女とは顔馴染みらしい。
その遊女は男に一礼をくれたあと、事情の飲み込めていない山吹を睨みつけた。

「……この、泥棒!!」
お鶴はそう叫ぶと山吹に掴みかかる。
「ま、待てよお鶴、落ち着いて……」
男が割って入ろうとするが、お鶴に跳ね飛ばされて畳に尻をつく。
そこでお鶴の剣幕を思い知った男は、そそくさと衣服を整えて退散した。
「い、いたい!!ちょっとお鶴さん、何するの!?」
髪を掴まれ、肩に爪を立てられた山吹は気が動転するばかりだ。

「何を白々しい。あんた今、あたしの上客と寝てたでしょう!
 あの男はね、ずーっとあたしを指名してくれてたの、お得意様だったのよ。
 それを知ってて、取ったんでしょう!!元から人気の癖に、まだ男が欲しいの!?」
「そ、そんなの誤解よ!!私は、指名があったというからこの部屋に来ただけ。
 お鶴さんへの悪意なんか、これっぽっちもなかったわ!!」

そうして騒いでいるうち、志乃が他の遊女を連れて駆けつける。
「やめな!一体何事だい!?」
お鶴を引き剥がした志乃は、双方の言い分を聞いた後に裁定を下す。
「……そうかい。なら今回悪いのは、山吹だね」
「どうして!?私は、何も知らなかったのよ、悪意なんて……」
「いや、悪いのはお前さ。女将の立場でありながら、誰の客が誰かも把握できていない。
 別の遊女の贔屓にしてた男に手をつけた事も、間違いのない事実。
 仮に罪が五分五分でも、お前が怒りを汲んでやる事で丸く収まろってもんさ」
志乃は冷たく言い放ち、傷だらけの山吹の心を絶望に染める。

これは言いがかりに近い裁定だった。
どの遊女がどの客を取っているのかは、全て遣手である志乃のみが把握している。
志乃はそれを元に下男に指示を出して遊女を誘導させる。
山吹に出来る事といえば、辰吉に連れられて部屋へ赴き、そこで客を取ることだけだ。
一日に何人もの客を取り、誰よりも働きづめで常に疲労困憊である山吹に、他に何が出来るというのか。
しかし山吹は折れるしかない。
理不尽さは感じるが、山紫苑を維持するには、山吹自身が頭を下げるしかなかった。



折檻部屋に、再び地獄が繰り広げられる。

「さてと。人の客を取るような泥棒には、それ相応の折檻が必要だねぇ。
 ここいらじゃ、泥棒にどういう責めをしてんのか、その身体に教えてやるよ」

お鶴は、紅白色の腰巻だけを山吹に着けさせ、上は丸裸のまま柱を抱えさせた。
そしてその両手首を、腋を晒す格好のまま上方で結び合わせる。
背中を隠す長い黒髪は、首と掲げた腕に挟み込むようにして脇に垂らした。

その状態で遊女の一人が箒尻を手に取り、無防備な白い背中を打つ。
耳を切り裂くような容赦のない音が響き渡る。
「あぐうっ……!!」
山吹の口から苦悶の声が漏れた。
「顔は打つんじゃないよ」
お鶴が命じる中、山吹の美しい肩、肩甲骨、背筋、腰つきに赤い線が描かれていく。
時には三重四重と平行に走り、時には交差して、傷のない所がないほどに徹底的に刻み込まれる。
「うっ、んぅぐっ……!うぐうぅぅッ…………!!」
山吹の全身からは汗が噴出し、細い身体がうち震えた。

数刻の後、ようやく手首の戒めを解かれた山吹は力なくその場に倒れこむ。
しかしその両腕は抱え上げられ、容赦なく後ろ手に縛り上げられた。
「うあ……!!」
山吹は背中の痛みで覚醒する。
「おや、お目覚めかい。よくお眠りだったから、今度は水に漬けて起きて頂こうと思ったんだけど。
 まぁどっちでもいいわ、やんな」
お鶴の声で、後ろ手に縛られた山吹の足首にも縄が巻かれる。
その縄は天井の滑車に通され、山吹の身体は遊女達の引きに合わせて天井近くへ吊りあがった。
離れていく床の一部には、並々と水の汲まれた巨大な桶がある。
「ひっ……」
これからなされる事を把握した山吹が顔を引き攣らせた。

彼女の予想通り、吊られた山吹の身は勢いよく桶の中に沈められた。

「がぼっ……!!がぼっ、がぼぼっ……!!」
水に落とされた衝撃で空気を吐き出しながら、山吹は胸に強い痛みを覚えていた。
季節は秋口、寒いとまではいかないが暖かい季節ではない。
その時期に冷たい水に漬けられるのは、かなり心肺への負担がかかる。
苦しみもがく山吹の身体が、一旦水から引き揚げられた。

「げほっ、げほっえほっ!!うええええっ!!!」
かなりの水を飲んで空気を足りていない山吹は、酷く咳き込む。
「どうだい気分は、反省したかい」
そうお鶴に問われても、咄嗟に答えが返せる状態ではない。
すると、山吹の身体は再び水に漬けられた。

再度あふれ出す空気、全身を襲う寒気。窒息の苦しみ。
「さぁ、どうだい」
次に水から引き揚げられた時、山吹はすぐに口を開いた。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいっ!!!!」
しかしそうして謝罪しても、底意地の悪いお鶴が容易に赦すはずもない。
「誠意がないね。長めに漬けな」
そう冷たく言い放ち、山吹に更なる苦しみを与える。

肺の空気がなくなっても、大量に水を飲んでも終わらない三度目の水責め。
山吹の身体は苦しみに痙攣し、やがてその腰巻の一部が変色しはじめる。
それは腰巻から流れ落ち、腹部を伝い落ちる時に薄黄色をしているのが解った。
それは桶の中の水に溶け、かすかな刺激臭を漂わせる。
「あはは、流石は失禁太夫さまね。これだけ苦しめられても自己流を貫くなんて、大したものだわ」
お鶴が笑いながら引き揚げる指示を出す。
意識も朦朧として口から水を吐き零し続ける山吹は、お鶴を眺めて口を動かした。

「…………お、おつるさん…………ほ、ほんとうに、反省、しているの…………。
 ごめんなさい、わたしが、わるかったわ…………」

何とか赦しを得ようと、失神寸前の状態で言葉を紡ぐ山吹。
その彼女に、お鶴は冷ややかな表情の裏で思う。
何を言っても無駄、どう媚びたって無駄。
お前の地獄巡りは、私が飽きるまで続くのよ……と。





「お嬢様、お嬢様っ!大丈夫ですか!?」
辰吉は、机に寄りかかったまま眠る山吹を揺り起こした。
山吹が眠そうな瞼を開く。
白い吐息が辰吉の頬を撫でた。
「……辰吉さん……?ああ、ごめんなさい、眠ってしまっていたのね」
「いけませんよ。火鉢を焚いているとはいえ、まだまだこの部屋は冷えます。
 お休みになるなら、布団の中になさった方がいいです」
辰吉はそう言い、ぶるりと身震いする山吹の背に半纏を掛ける。
「暖かいわ」
「そうでしょう。憶えていらっしゃいますか、これ、あの雪の日に……」
「ええ、私が縫ったものよ。肩口がどうにも上手く縫えない頃で、別の布を当てて誤魔化しているんだわ」
山吹は半纏の裏を見ながら、恥ずかしそうに笑った。
辰吉は彼女に温かな柚湯を淹れる。

「……店の方は、どうですか」
辰吉は、山吹の手元にある帳簿を見やりながら問うた。
山吹はやや寂しそうに首を振る。
「厳しいわね、この時期はお客様も少ないし。
 本当は私が一日十人ほどお相手出来ればいいのだけど……痛くって」
どこが、と山吹は言わず、辰吉も聞かない。
山吹はしばしの沈黙の後、それに、と付け加えた。
「帳簿の計算も合わないの。
 金銭に関わる部分はお志乃さんにだって任せてないのに、 毎月三両近くが見世から無くなってる。
 見世の皆を疑うわけじゃないの。でも、これ以上はもう……」

山吹がそう言った時だ。俄かに見世先が騒がしくなりはじめた。
「……何かしら」
山吹は帳簿を閉じ、引き出しにしまってから障子を開ける。
それが地獄の釜の蓋だとも知らずに……。



山紫苑の見世先には二十人余りの男達が詰め掛けていた。
男達は玄関口で志乃と言い合っている。
「お志乃さん、一体何事なの!?」
山吹が下駄を鳴らして姿を現すと、男達が喚き出す。

「この見世で、今日は何人ででも遊べるってぇから来たんだぜ!?
 それをあの女、今日相手が出来る新造は三人だけだなんぞと抜かしやがる。
 こりゃあ一体どういう事だ、ああ女将さんよぉ!?」

男達は怒り心頭といった様子で山吹に詰め寄った。
山吹には何の事やら解らない。
確かに今日出られるのは、山吹を含めても三人だ。最近は寒く、客足も遠のいている。
そんな折に何人も見世にいても、という遊女達の言葉を聞き入れ、休暇を与えていた所だった。
それを見透かしたようなこの大人数。
他の見世による妨害か、あるいは……。
山吹がそう考えていた所へ、まさに疑惑の当人である志乃が声を掛けた。

「これはまずいよ山吹。あの人らは、遊郭でも頻繁に姿を見かける常連だ。
 その人達を怒らせたままじゃあ見世の風評が悪くなって、お取り潰しの憂き目に遭っちまう」
志乃はさも山紫苑の心配をしているという風を装っている。
しかし今の山吹には、その本心が透けて見えた。

やはり裏で糸を引いているのはこの志乃だ。
先ほど志乃と男達が言い合っていた時の空気と、今騒ぎ立てている空気。
その微かな空気の違いを比べれば、志乃とこの男達が内通している事は容易に感じ取れる。
志乃の謀も杜撰になったものだ。
何度も彼女の顔を立てて従っているうちに、山吹の事を考える頭のない木偶とでも見たか。
……しかし。しかしながら山吹は、今回も志乃の謀に乗らざるを得ない。
母の遺した山紫苑を護るために。

「……わかりました。女将である私が、皆様のお相手をいたします」

思った通り、山吹がそう申し出ると、男達の雰囲気ががらりと変わる。
怒りの空気から、飢えた獣のような気配に。
「そうかいそうかい。じゃあ愉しませてもらうぜ、紅華太夫の娘さんよぉ」
顔を舐めるようにして告げる男の濁った目を、山吹は凛とした瞳で受け止める。


「む、無茶です、壊れてしまいます。お嬢様……!!」
何十という男と共に門を潜る山吹を見送りながら、辰吉は言い知れぬ悪寒に唇を噛んだ。


その地獄は、山紫苑の「松・竹」二部屋を仕切る襖を取り払い、吹き抜けとした仮設の大部屋で繰り広げられた。

「おらおら、次々代われよ!まだ後が支えてるんだからよ!!」
そう野次が飛び、果てた男と入れ替わりに一人が背後から山吹の身体を抱いた。
「おおっ……。へへ、餓鬼のくせにしっかり締め付ける技を身につけてるじゃねぇか。
 奥が吸い付いてくるみたいで、たまらんぜぇ」
男は強く山吹の腰を掴み、一切の容赦なく腰を叩きつける。

山吹の顔側では、また別の男が逸物をしゃぶらせていた。
肉茎をやわらかく指で扱き上げ、先端を口の中で転がす絶妙の口戯。
「ああ、あ、駄目だこれ、すげえっ……!!!」
一人が忽ちに射精へと導かれ、しかし間髪置かずに別の男が山吹の唇へ逸物を宛がう。
山吹は一刻の間隔さえなく、常に複数の男達に群がられていた。
前後左右様々な姿勢から逞しい物で花壷を犯され、口唇奉仕を強要される。
花魁としての経験と技巧を身につけた山吹は、群がる男を次々に射精に導いていくが、いかんせん数が多すぎる。

「はっ、はぁっ、はぁ、はあっ……」
山吹は何十度目かの口戯の最中、息が続かずに怒張を掴んだままで息を整えた。
その顔は汗に塗れ、彼女がどれほど疲労しているのかをよく物語っていた。
しかしそれを隙と考えた男が、山吹の頭を掴んで喉奥深くへ逸物を叩き込む。
「えおっ!?」
「へへ、ようやっと余裕のない顔が出たな。女は素直が一番だぜ?
 ……ふむ、中々いい具合に喉奥へ入っていくな、こんなのももう経験済みってか」
男は言いながら、山吹の喉奥を掻き回す。
「おっ、おえっ、げぼっ……!!!」
山吹は嘔吐こそしないものの、涎を次々に吐き零し、鼻からも汁を垂らして苦悶した。

山吹の身体は時が経つほど乱雑に扱われるようになり、やがては前へ挿入されている最中の山吹へ、
もう一人が密着して逸物を宛がう。
「あうっ!!」
喘ぐばかりだった山吹が突如として大声を上げた。
「へへ、おい見ろよ!!こいつ糞の穴にも入るぜ!?」
「マジかよ!?おいおい、早く代われよ、どんな具合なんだ?」
「糞穴に入れるなんざ正気じゃねーなぁ。だがせっかくの機会だ、試してみるか」
男達は新たな加虐手段に目を光らせ、前後から山吹を犯し始める。
「あ、あう!あう!!ああううううっ!!!!!」
多くの客を取ってきた山吹とて、前後から挿れられる経験は初めてだ。
彼女はその未知の感覚に顔を歪め、男達に抱え上げられた両脚を強張らせて悶え狂う。


悲痛な宴は夜が明けきるまで続けられた。
二部屋の至る所が精液や汗、その他様々な体液で汚され、酒と男の匂いで噎せ返るほどだった。
やがて畳に倒れ伏したまま動かない山吹を残し、男達が引き上げようとする。
「…………まって…………お、お代…………」
それを山吹の声が引き留めた。
彼女は意識も朦朧としているような有り様ながら、這うようにして男達ににじり寄る。
「あ、ああ……そらよ」
最後尾の男は顔を引き攣らせながら銀貨をばら撒いた。
そこに残っている、五人分の料金だけを。
山吹の目が見開かれた。

「ご、五人なはずないでしょうっ!」
そう叫ぶ山吹に、男の数人が気圧される。しかし中には平然としている者もいた。
「……何言ってる、ここにいるのは5人さ。
 文句があるなら、何人いたと思うのかをきっちり教えな。
 言うまでもねぇが、1人でも多く吹っ掛けやがったら承知しねぇぞ」
そう言い放たれ、山吹の瞳が惑った。
山吹が硬直している間にも、男達は一人また一人と帰り始めている。
やられた。
山吹を犯した正確な人数、そんな物は解るわけがない。
例え的確な人数を言い合てたとしても、証拠がない以上は相手の言い分でどうにでも覆せる。
「そんな…………こんな、こと……って…………!!」
山吹は絶望の言葉を吐きながら意識を失い、力なく畳へと倒れ伏した。


「ええーっ嘘、『松・竹』の二部屋貸切にした上に、これだけ廓中汚されて、たったの五人分?」
遊女の一人が信じられないといった表情で山吹を睨む。
他の遊女も、志乃も、同じく山吹の吊るし上げに加担していた。

「何人の客を相手にしたのかも把握できないようじゃ、花魁失格だよ。
 加えて見世に大損害を与えるなど、女将としても度し難い。これは猛省が必要だね」
志乃は正座させた山吹を見下ろしながら宣言する。
今になって解る、心の内から愉しそうな表情。
あるいは紅華が病に伏せるよう仕向けたのも彼女かもしれない。そう思える異常性。

「……おや山吹、なんだいその瞳は。まさかお前、このあたしに逆恨みでもしてるのかい。
 とことんまで性根の腐った女だね。
 お前達、こいつの骨身に染みるような、一番きっつい折檻をしてやんな!!」
志乃はそう言い放ち、遊女達に山吹を引っ立てさせる。
人を疑えない、心優しい山吹は、しかしついに彼女へと不屈の視線を向け始めていた。





数刻の後。
山吹は、駿河問いの格好で吊るされたまま笞打ちを受けていた。
顔も含めた全身至るところを滅多打ちにされている。
さらには用いる責め具も、牛の革で作られたしなやかな笞だ。
以前に使われた箒尻とは格が違い、皮膚の張り裂けるような鋭い痛みを対象者に与える。

「ぎゃッ!!あっ、うあぁっ!!ひいぃッ!!!」

山吹は悲鳴を上げ続けていた。
悲鳴を上げては暴れ、また悲鳴を上げ、やがて息をすることさえままならなくなっていく。
吊られる『駿河問い』のつらさと、笞の痛み。
しかもそれだけではない。
足の親指と人差し指の間に、右足は赤、左足は白の蝋燭を括りつけられており、
痛みに身を捩るたびに色とりどりの蝋が美しい背中を汚す。
「あははっ綺麗な紅白だよ。さすが芸事を修めてらっしゃるだけあって、芸術的だねぇ」
笞を振るうお鶴が嬉しげに笑った。

山吹の涙が、頬から顎先へ伝う。全身も至るところが汗で濡れ光っている。
その身体を容赦なく笞が襲った。
「ぎゃあっ!!……っあ、あうぅ……」
苦痛のあまり山吹が気を失うと、冷水が浴びられて無理矢理に意識を引き戻される。
「はぁ、はぁ、い、いつまで、続けるつもり……?」
「さぁ、特に何も言われてないわ。別にあんたが死ぬまででもいいのよ?」
そのようなやり取りが何度も交わされ、山吹は何度も失神しては目覚めさせられた。
やがて声さえ発さなくなった頃、ようやくにお鶴は笞打ちを止める。

「ふん、情けなく失神してるわ、汗やら何やらでくっさいわねぇ。
 まぁこれからもっと酷い有り様になるんだから、関係ないか」
お鶴はそう吐き捨てながら、山吹の縄を解かせ始めた。



山吹は朦朧とした意識の中で、湯のみ一杯の液体を飲まされる。
「うえっ……!」
あまりに不味いのか吐き出しかけるが、全て飲み干す事を強要された。
「今飲ませたのは、強烈な下剤よ。あと少しで効いてくるわ」
お鶴はそう言いながら、再び遊女達に山吹を拘束させ始めた。

首を支えに逆立ちをした状態で、両膝を頭の側面まで降ろす姿勢。
秘部と肛門が天を向く格好だ。
惨めさもさる事ながら、散々に背中を笞打たれた山吹にとっては、
その姿勢を維持する事自体が涙の出るような苦行だろう。

「ふふふ、いい格好。あの紅華太夫の娘が三流遊女の前でこんな姿を晒すなんて、
 一体誰が思ったかしら」
お鶴はそう言いながら山吹の尻肉へ指をかけ、肛門を開いて見せた。
「可愛い不浄の穴ねぇ。散々犯されて、さすがに開いてしまってるけど」
その言葉と共に肛門を開いて、閉じて、を繰り返すと、周りの遊女から笑いが起きる。
「くっ!!」
山吹は顔を顰めた。
「何だか後ろの穴は物欲しそうだわ。折檻部屋には大抵何か転がってるから……
 うん、これがいいわ」
お鶴は手近な箱から張り型を取り出し、山吹の肛門に宛がう。
「ちょっと、そっちはもっやめ……!!」
山吹の非難も空しく、張り型は桜色をした直腸内へと入り込んでいく。
そしてある程度まで入ると今度は抜き出され、また挿し込まれ、一定のリズムで抽迭され始めた。

「う! う! う! うっ!!」
山吹は後ろの穴が弱いのだろうか、一突きごとに呻きを上げる。
「なんだ、煩いねぇ。これでも咥えときなよ」 
別の遊女にとっては山吹の喘ぎは耳障りだったらしい。
彼女は山吹の口に竹の一節だけ切り取ったものを嵌め込み、それを縄で首裏に括りつけた。
その簡易な猿轡で、山吹の声は殺される。
「んおうぅぅあえーーーっ!!!」
だがしばらくすると山吹は、それでもなお漏れるほどの声を上げ始めた。
何が起こったのかと訝しむお鶴達は、その直後に事実を知る事となる。

「あーあー、出てきた出てきた!」
一人の遊女が、山吹の肛門を差して叫ぶ。
彼女の差す先では、お鶴の抜き差しし続けていた張り型を押しのけるようにして茶色い液が漏れ始めている。
「おっと、ようやくかぁ。随分とよく堪えてたものね」
お鶴が満面の笑みで張り型を抜くと、その瞬間栓が抜けたかのように汚液が溢れ始めた。
「んむうううううぅぅーーーーっ!!!!!」
山吹が目を見開いたまま頭を振る。
下痢便は幾度か飛沫のように噴き上がり、次いで肛門を押し開くように流れ出して山吹の身体を汚した。
剥き卵のような尻、すらりとした脚、細い腰つき、柔らかな乳房、すっきりとした首元……。
「いああああーーーっ!!!」
汚液は山吹の顔にも容赦なく流れ落ち、小鼻や固く閉じた瞼の上を通り過ぎていく。
しかし竹を噛まされた口だけは防ぐすべもなく、奔流の幾筋かが舌へ絡み、喉奥へと入り込んでいく。

「あっはっはっはっは、ぶり、ぶびびいいって物凄い音!
 匂いも鼻が曲がりそうに堪らないわ」
「惨めねぇ。あの『紅華太夫』の娘なんていっても、うちらと何も変わりやしないわね。
 今までの世の中が、変にこいつを特別扱いしすぎてたのよ。
 せいぜいそうやって、自分自身が出した汚物に塗れたまま一晩を過ごしなさいな」

お鶴達はそれで満足したのか、なおも溢れ出る汚物に塗れたままの山吹を残して部屋を出る。


辰吉は布団に包まり、その全てを耳にしていた。胸が張り裂けそうになりながら。

やがて彼は『禁忌』を犯す。
志乃達全員が寝静まった頃、折檻部屋へと忍び入ったのだ。
すぐに鼻の曲がりそうな異臭が漂ってくる。
辰吉はその只中にいる山吹の傍へ屈み込み、水に塗らした布でその顔を拭った。
そして縄を解いて口枷を抜き取った時、辰吉は山吹の瞳を見る。

「………………負けない」

ぞくり、とした。

「…………絶対に花魁の中の花魁に、なってやる…………」

しわがれた声で呟く山吹を前に、汚れた布を握りしめながら辰吉は、どうしてか涙を零していた。


                       終わり
<初出:2chエロパロ板 『【風俗】娼婦でエロ小説 2【遊郭】』 スレ>
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コメント
No title
これは素晴らしい!続編を激しく希望します!!!
山吹タソには耐えて耐えて耐えまくって『花魁の中の花魁』になってほしいですね!
あ、下手するとガバガバになってしまいそうな二穴も筋肉を鍛えてギチギチに締まりるくらいにするのを忘れずに!

めら│URL│2012/02/06(Mon)22:14:11│ 編集
>めら さん
ありがとうございます。
続編は……今のところ考えてないのですが、また何か思いついたら書いてみますね。

燻製ねこ│URL│2012/02/06(Mon)22:29:15│ 編集
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